専門工事業D社の総務部長様より「支払業務の効率化」について」相談があり、業務の内容や流れを調査したところ、下請業者への支払管理業務や経理業務、工事原価管理業務にて同じ情報を何度もコンピュータに入力していることが判明しました。その上、それぞれ入力したデータを照合するための手間もかかっています。
今回は、問題を解決するために専用ソフトウェア導入について総務部長様と検討した事についてお話いたします。
【4.重複データをなくすためには】
D社の支払い業務の情報は、以下の5つの業務でも利用されています。
1.実行予算管理業務
(工事別、費目別、業者別に予算と実際の支払金額を対比し、予算の消化率等を管理。)
2.外注・材料業者への発注業務
(1.実行予算にもとづいた発注管理、発注書の発行)
3.業者からの請求書のチェックと集計
(2.発注書と請求書金額とのチェック、業者毎に支払金額を集計)
4.支払いの実施(支払条件にもとづいた金額の割り振り、
インターネットバンキングへ支払金額の入力、安全会費などの計算、支払通知書の作成)
5.経理処理
(振替伝票作成、経理ソフトへの入力、現預金・未払金のチェック)
これらの業務を効率化するには、
「情報の重複入力を無くし、一度入力した情報を各業務で再利用すること。」
が必須です。
その為には手作業やEXCELなどでバラバラに行っている各業務を一度のデータ入力で済ます必要があり、専用のソフトウェアを導入することで問題を解決することができると判断し、総務部長様に相談することにしました。
総務部長様からは、
「実は経理業務担当のAさんと支払業務担当Bさんは、あと2年で退職の予定となっており、
後任に考えているCさんに引き継ぎを考えている。しかし現在のAさんBさんの業務のやり方のままでは、
手作業の部分が多く、何度も金額のチェックが発生し手間が掛かっている。」
とのお話もお聞きしました。
そこで私は、
「この機会に業務のやり方を見直し、その上でCさんに引き継ぐのがよいと思います。
CさんはPC操作が得意なこともあり、専用のソフトウェアを導入することで効率化が図られ、
現在2人で担当している経理業務と支払業務をCさん1人でこなすことも可能ではないでしょうか。」
と提案しました。
営業所が増えたことや工事規模が小型化し工事件数が増加していること、新規に取引を始める外注・材料業者が増加したことも考慮すると、処理する伝票件数は今後増えることが予想され、手作業に近い現状の業務方法では近い将来、限られた期間内に現状の人員で業務をこなすことが難しくなる事も専用ソフトウェア導入を決定する大きな要因となりました。
次回は、ソフトウェア選定のポイントについてお話いたします。
みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/
前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c01/