中小製造業のQCサークル11.「対策案の検討について(2)」を追加しました

皆さま、こんにちは。コンサルティング部門の犬飼です。
私事で恐縮ですが、約1年間の北米生活を終え、先日帰国いたしました。黒人初の大統領誕生の瞬間や金融危機への対応の場面を見ることができ、とても実り多い1年でした。

 

さて今回は、中断させていただいていたQCサークルシリーズの続きをお送りさせていただきます。

 

前回(といってもずいぶん前のことになりますが)までの10回で、事例サークル「THE 金型名人」が「納品後の品質トラブルの削減」をテーマとして取り組み、現状分析、要因分析を進めてきたことをお話しました。

 

そして、要因分析のツールである特性要因図で発見された内容について対策案を検討し、中でも「CAE解析の実施」という対策案が浮かび上がったところまでをお話しました。

 

CAE解析による直接的な問題解決とは別に、仕組みでの対策も議論しました。その結果、過去トラを活かすためのチェックリストの作成や製品の設計段階での打合せへの参加などが決まりました。

 

ここで、Nさん達の対策をまとめると、以下の通りになりました。
(1) 金型製作に入る前のCAE解析の実施
(2) 過去トラからのチェックリストの作成
(3) (1)(2)をベースに、打合せへの参加

 

Nさん達の場合は、多くの要因が結果的にCAE解析という実施策で解決できるという意見となりましたが、各々の要因に合わせて多くの実施策が並列で挙がった場合には、マトリックス図などを使って、優先順位をつける必要があります。

 

対策案の検討で最も重要なことは、「目的を見失わないこと」だと私どもは考えています。対策案の検討や対策の実施時期になると、QCサークルのエンド、つまり成果発表会などの日程が迫ってきており、発表会のためのQCサークルになってしまうこともあります。

 

もちろん、期限や実現可能な範囲内で対策を決定することは重要ですが、それでも本来の目的に戻って、本当に解決したいことは何なのかを見失わずに対策を考えることが、初回でお話させていただいた「考える組織づくり」につながると考えています。

 

 

それでは、次回はこれらの対策案の実施段階についてお話したいと思います。

 

▽ 前回までの内容を小冊子としてまとめております ▽
ご興味のある方は、ご覧頂けたらと思います。
http://ct.mgrp.jp/news/2009/03/10/qc2007920087/

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/

 

 前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c03/