建築工事業C社様にて業務調査を行ったところ、社内会議資料作成に多くの時間が費やされている事が判明しました。そこで会議資料を中心に具体的な改善策を探っていくことになりました。
まずは営業部門に関する会議資料を見ていこうと思いますが、今回は「管理資料・会議資料作成のムダ」という内容からは、少し離れて、折角作成する資料なら形式的なものではなく、会議に役立つ資料にしましょう!ということでお話させて頂きます。
【2.営業部門に対する社長の悩み】
まず、営業部門で利用している管理資料・会議資料を確認しながら、社長様のご要望をお聞きすることにしました。
社長様は会議資料に特に要望はなく、営業部の現状について悩まれている様子でお話を聞いてみると、
「以前は公共工事中心であったが、公共工事の減少もあり民間工事へ力を入れていく方針を打ち出している。
(1)民間への営業を強化したいのだが、トップ営業を続けてきた経緯もあり、営業部員は指示待ち状態であること。
(2)民間営業を強化していくためには、トップ営業だけでは限界があり、今後どのように営業部門を動かしていったらよいか分からない。」
といったかなり重たいお悩みでした。
【3.営業見込物件リスト】
公共工事では工事数が限られた中での、社長主導の営業が中心でした。しかし民間工事となると大小様々な見込み物件を集めてこなければ営業活動がスタートできません。
当社は、営業物件については、「営業見込物件リスト」にまとめられており、営業会議で報告されています。この「営業見込物件リスト」を見てみると、ほぼ受注が決まったものや、受注確率が高いものが中心に記載されています。
「すべての営業見込物件がリスト化されているの?」と疑問を持った私は、営業担当者の方に質問してみました。
すると、「営業情報は、個人的な人間関係上の活動によるものだから」とか「受注確実性が高くないとリストに載せたくない。」、「情報が漏れると困るから。」という返事が返ってきます。要するに一旦リストに載せてしまうと社長様からしつこくチェックされ、失注するとバツが悪いというのです。
営業部長や担当者に詳しくお話を聞いてみると、社長が思っているほど、営業担当者は動いていないわけではなく、各担当者は民間への営業活動は行っているとの事です。しかし、自分の持っている情報を開示することに抵抗があるようです。
次回は、民間営業強化へどのように取り組んだのか、また「営業見込物件リスト」の活用についてお話したいと思います。
みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/
前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c01/