お金の話Q&A(6)「キャッシュフロー計算書」を追加しました

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| Q:キャッシュフロー計算書の読み方、活用方法を教えて下さい? |
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A: 顧問税理士や金融機関からキャッシュフロー計算書(以下、キャッシュフロー、お金の流れをCFと略す)について説明を受けたり、質問を求められたりすることが頻繁にあるようですね。なぜ、税理士や金融機関は、CF計算書を重要だと考えているのでしょうか?

 

「勘定足りて銭足らず」という言葉があります。「黒字倒産」という言葉もあります。黒字なのに資金が足りない、儲かったお金はいったいどこへ行ったのか、という経験をされた方も多いと思います。

 

キャッシュフロー計算書は、貸借対照表や損益計算書だけでは読み取れない、会社の資金構造を明らかにするからです。

 

CF計算書は、企業の活動別に3つの区分表示で表されます。

「営業活動によるCF(以下、営業CFと略す)」では本業のCFを表し、通常はプラスとなります。

「投資活動によるCF(以下、投資CFと略す)」では固定資産や金融資産の売買のCFを表し、設備投資が必要な業種ではマイナスとなるのが一般的です。

「財務活動によるCF(以下、財務CFと略す)」では借入金や増資等の資金調達のCFの状況を表します。

 

借入を多く行うと、財務CFはプラスとなります。本業で得たCFを、投資活動資金に回し、足りない分を財務CFで賄うという状態が理想的と言われています。

 

ただし、業種によっては、一時的な入金と支払いのずれによって、営業CFがプラスになる場合があります。この余った資金を、投資活動に回すと、資金繰りが厳しくなります。また、営業CFを大きく上回る投資CFのマイナスは、財務CF(つまり借入金や増資等)でマイナス分を賄っているわけですが、それだけの投資効果があるのかを十分に検討する必要があると思われます。

 

また、売上が激減した場合には、それに伴い製造業であれば仕掛品、建設業であれば未成工事支出金等の支払も減少するため営業CFが改善され、一時的に手元資金が余ったように感じます。この場合は、営業CFが改善されたからと言ってよろこんで良いわけではないですよね。

「なぜ当社の資金繰りが今厳しいのか?」「お金が余ったように感じるのはなぜ?」・・・自社のCFの状況についての疑問があれば、身近の専門家にじっくり説明を受けて、把握しておくことをお勧めします。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門