2008年6月12日号

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             ● みどり合同経営 Information ●
              -コンサルティング・M&A部門-
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■問題解決手法を身につける!中小製造業のQCサークル   <犬飼あゆみ>
■建設業のM&A~企業評価、法務、会計、税務  <原田裕子>
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◆ 問題解決手法を身につける!中小製造業のQCサークル
9. 要因分析について (2)フィッシュボーンを検証する

 

前回は、「THE金型名人」サークルが「立上り品質トラブルがなぜ起きているのか」を知るために、「特性要因図(フィッシュボーンチャート)」を作成したところまでをお話しました。

 

この特性要因図は、枝の数が多ければ多いほど良いとも言われています。そして一通りの要因が出たと思ったら、その要因が本当に特性に影響しているかを検証していくことになります。

 

例えば、溶接個所が多いと、本当に金型のヒビ・割れが多くなるのでしょうか。ここで、散布図(これもQC7つ道具の1つ)を使って、溶接個所とヒビ・割れの件数の相関関係を検証していくのです。

 

この検証という作業により、メンバーの「思い込み」を排除します。「思い込み」で要因を出してしまうと、その後の対策の検討が間違った方向へ行ってしまうからです。

 

フィッシュボーンによる要因分析で陥りやすい失敗としまして、この段階にくると往々にして落としどころを考えてしまい、深い議論にならないことです。本当の要因を出して、それを解決しようとすると発表会に間に合わない・・・などの思惑から浅い議論になりがちになってしまいます。

 

そうなってしまった場合、要因分析から導き出される対策案は、結局は中途半端なものに留まってしまいます。もちろん、落としどころを見つけるということも業務の中で大切なことではありますが、せっかくのQCサークルですから、メンバーで真の議論をして、より深く考えてもらうことが私どもは大切だと思っています。

 

それでは、次回はこの要因分析を元に、Nさん達がどのように対策案を検討したか、見ていきたいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/
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◆ 建設業のM&A~企業評価、法務、会計、税務
「建設業のM&A~法務(10)」

今回からのテーマは「会社分割」です。

 

会社分割は、会社の事業に関する権利義務の全部または一部を、他の会社に包括的に承継させることにより、1つの会社を2つ以上の会社に分割する手法です。承継させる会社が、会社自ら新しく設立する会社の場合を「新設分割」、既存の他の会社の場合を「吸収分割」といいます。

 

会社の全部または一部を切り出して他の会社に引き継がせる、という点では、会社分割は、前回までみてきた事業譲渡に似ていますね。しかし、この手法は、事業譲渡とはいろいろな点で違いがあります。

 

事業譲渡との決定的な違いは、会社分割が包括承継であるという点でしょう。事業譲渡は、個々の財産や権利義務などの譲渡契約であり、契約の相手方の個別の同意が必要になるなど、大変な手間がかかります。それに対し、会社分割は、分割契約等で決められた範囲の権利義務が、効力発生日に当然にまるごと承継する会社に移り、個別の同意などは必要ありません(その代わり、債権者保護手続や労働者保護手続が必要になります)。しかしその一方で、会社分割には、一定の場合に隠れた債務を引き継いでしまうというリスクがあります。

 

また、事業譲渡では、許認可は当然には引き継げませんが、会社分割では、許認可によって取扱いが異なり引き継げるものもあるようです。しかし、建設業許可は引き継げないので、事業を承継した会社が新たに許可を受ける必要があります。ただ、経審については、分割した会社の実績等を引き継げる取扱いがあるので、許可の申請の件も含め、所轄官庁と事前に打合せしたほうがよいでしょう。

 

次に資金面ですが、事業譲渡の場合対価は原則として現金なのに対し、会社分割によれば譲受側は自社の株式によって支払うことができるので、資金を用意する必要がありません。また逆に、譲受側が株式を交付したくなければ、事業譲渡と同様に現金で支払うこともできます(吸収分割の場合に限られますが)。これは、会社法の「合併等対価の柔軟化」によって、会社分割でも自社の株式以外の財産を対価とすることが可能になったためです。

 

今回は、会社分割の意味や、事業譲渡との基本的な違いについてお話ししました。次回からは、手続などについて、もう少し詳しくみていくことにしましょう。

 

M&A・企業組織再編部門
公認会計士 原田裕子
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