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● みどり合同経営 Information ●
2010年6月3日号
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▼ INDEX
■経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる
<澤田兼一郎>「10.「一体感」の必要性と作るポイント(9)」
■これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”
<山下晶子>「工事原価管理と支払業務、経理業務のムダ(5)」
■お問い合わせ先 <メール配信の中止及び設定の変更等>
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◆ 経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる
10.「一体感」の必要性と作るポイント(3)
今回も前回から引き続き、「(1)経営者が考え抜いた上で経営計画を作り、社内に向けて目標と達成に必要な行動計画を明確に示したこと」を考えていきたいと思います。
前回は、経営者の方の方向性との整合性、そして社内発表への説明根拠を、じっくり時間をかけ考え、計画を策定し、自分自身にとって拠り所となっているところまでを、お話しました。業績については、先述したとおりです。
今回は、社内への発表及び徹底と新卒採用について触れておきたいと思います。
社内に発表した時に、絵に描いたような盛り上がりはなかったと記憶しています。利益計画の目標値を高めに設定していたことなどもあり、「何を根拠に!?」という営業責任者の言葉や当事者意識のない冷ややかな反応でした。また、実行支援の過程の会議の中でも、利益計画のハードルの高さから「根拠がない!」「実現性がない!」など反応が経営者に向けて投げかけられました。
しかしながら、経営者の方針は変わりません。また、だからといって頭ごなしに何かを押し付けることもしませんでした。会社が生き残っていく、将来成長をしていく為には、この計画の実行が必要であることを、繰り返し説明をしました。
また、途中で経営者としての考え方を5つにまとめ、行動指針として徹底するように発表しました。今でもすべての会議のスタートの時には、全員で唱和し、社内には「社長方針」として明示されています。
次に新卒採用ですが、企業様にとって、10年振りです(中途採用は実施している)。若手従業員の「将来もこの会社は存続していくのだろうか?」という不安を払拭する為に、会社が将来も存続し、成長していくというメッセージを込めて、3名の新卒を採用しました(計画では、2年後にはさらに2名の新卒採用予定でしたが、実現されました)。すぐには戦力にはならない中でも、経営者として考え根拠があるから、実行したわけです。
少し余談になりますが、以前は経営者と幹部や従業員の方との飲み会や食事会はありませんでした。それが今では、若手従業員が中心にとなって、会社全体の忘年会を行い、経営者を交えて熱く語る会となっています。2次会を、若手従業員が中心に企画するまでになりました。ここからも、経営者を含めた一体感を感じることができます。
考え抜かれた経営計画は、経営者にとっても企業にとっても指針書であり拠り所になっていると思っています。そして、組織が一体感を持って何かを取り組んでいく上では、目に見える形の計画は必要なものではないか、と感じています。特に、2代目、3代目になる後継の経営者にとっては、言葉以外で説明をすることも時には求められると、私自身、感じています。
みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/
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◆ 「これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”」 第21回
工事原価管理と支払業務、経理業務のムダ(5)
専門工事業D社の総務部長から「支払業務の効率化」について相談があり、これまで業務の現状把握を行い問題点について検討を行ってきました。結論として専用のソフトウェアを導入して効率化を図ることに決定しました。
前回では、ソフトウェアには大きく分けて「オーダーメイド」と「パッケージ(既製品)」があることをお話致しました。総務部長様より「できるだけ低コスト、短期間での導入」を目指したいとの希望をお聞きし、パッケージソフトウェアを利用することに決定しました。
今回は、パッケージソフトウェアの選定についてお話したいと思います。
【6.ソフトウェア選定のポイント その2】
総務部長様と私は、D社の業務に合ったパッケージソフトの選定に着手しました。
今回パッケージソフトウェアに要求する最大のポイントは、「一度のデータ入力で複数の業務を連動させ、業務が流れるようにすること。」です。具体的には、同じ原価データを業務ごとに、それぞれ入力作業を行っていたものを一度の入力で済むようにすると言うことです。
重複入力を行っていた業務とは、
1.実行予算管理
2.外注・材料業者への発注業務
3.業者からの請求書チェックと集計
4.支払い業務
5.経理処理
の5つです。
1の実行予算管理は、建設業特有の業務であり、2~4までの業務は仕入管理に近い業務です。5は通常の経理業務です。経理業務については、すでに建設業専用の会計ソフトウェアを利用されています。
総務部長:「じゃあ会計ソフトと同じメーカーO社から発売されている同じシリーズの仕入管理ソフトを使うのが
いいのではないですか。同じシリーズということもあり操作性も同じでしょうし、仕入管理ソフトから
業者への支払いデータを会計ソフトに連動させることができると、O社ソフトのパンフレットに書いて
ありましたよ(得意そうに)。」
私:「そうですね。御社が建設業で無ければ、部長のおっしゃることが正解なのですが・・・。」
総務部長:「え~違うんですか?(がっかりした様子)」
私:「今回は、実行予算管理のソフトを一番に選定しましょう。これは建設業特有のソフトで、ソフトの
種類はすくないのですが、今回の中心となるソフトなんです。と言うのも・・・」
「発注、納品、請求、支払のデータは、現場名、工種、品目、数量、単価といった項目でできています
よね。このデータは、まず実行予算を策定した時に決定され(例外もありますが)、その後同じ内容で
発注・・・と進んでいきますよね。次に業者から現場に納品があり、請求書が送られてきますが、
その請求書のチェックはどのようにされていますか?」
総務部長:「現場責任者は、実行予算書(毎月の発生原価額=支払額を記載している)と業者からの納品書、
日報を見てチェックしています。現場責任者のチェックが終わると、工事部長が工事毎の発注書と
照らし合わせて単価や過払いなどをチェックしています。そのあと経理に回ってきます。あっ、そうか、
実行予算書を中心に回っているといったイメージですね。」
早速、「実行予算管理」ソフトの選定に着手することにし、工事部長にも参加頂いて進めていくことにしました。総務部長様はソフトメーカーのホームページを参考に資料を請求したり、知り合いの同業者にどんなソフトを使っているのか聞いてみる事ことにしました。
次回は、「実行予算管理」ソフトの選定ついてお話したいと思います。
みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/
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