2010年5月6日号「経営者が考え抜いた経営計画作成」

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                 2010年5月6日号
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■当社HPに、以前に発行いたしました小冊子を掲載しました。

■経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる
<澤田兼一郎>「9.「一体感」の必要性と作るポイント(8)」

■これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”
<山下晶子>「工事原価管理と支払業務、経理業務のムダ(4)」

■お問い合わせ先      <メール配信の中止及び設定の変更等>
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◆ 当社HPに小冊子を掲載しました。

 

皆様からのご要望を多く頂きました当社発行の小冊子を、HPに掲載しました。
→ http://ct.mgrp.jp/news/2010/04/26/post_34/

ご一読いただけましたら、幸いです。

 

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◆ 経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる
9.「一体感」の必要性と作るポイント(8)

 

今回からは、「(1)経営者が考え抜いた上で経営計画を作り、社内に向けて目標と達成に必要な行動計画を明確に示したこと。」について考えていきたいと思います。2回目に登場した、2代目経営者の企業様の事例を参考に説明をしていきたいと思います。

その企業様は、実際に支援をスタートしてから、経営計画が出来上がるまでに約6ヶ月の時間を費やしました。

 

まずは、私どもは、事業面の調査として、幹部、従業員のヒアリングをスタートし、会議の出席や、製造の現場など様々な側面から事実確認を行っていきました。その上で、経営者の方と何回にもわたる打ち合わせを行い、経営者の考える長期的な方向性や目標と、現実とのギャップを明確にしていきました。

 

同時に財務面の調査も行い、過去の収益力の検証や、実態の資産や負債の状況を明らかにしていきました。その現状把握と課題の抽出で約3ヶ月間をかけ、そこから、経営者と、利益計画と行動計画についてほぼ毎週、3ヶ月間かけて内容を詰めていきました。

 

具体的にどのような内容を検討していったのかについては『「中小建設業 ・受注工事業のコンサルティング現場から」(追加編)経営計画の策定について考えてみる(2008/5/1)』をご参照ください。
 → http://ct.mgrp.jp/service/book/#1134

ここでのポイントは、計画を実際に策定していく上で、毎週経営者と丸一日時間をかけて検討していったということだと思います。それくらい時間をかけてじっくり考えていかないと、経営者自身が考えている、方向性とそれを実現する為の計画と、整合性がとれない、ということだと思います。

具体的に一番時間をかけたのは、カテゴリー別の売上高限界利益計画(売上高粗利計画)と人員計画です。この2つを詰めるのに、計画策定期間(3ヶ月)の半分以上の時間を費やしたと思います。

 

理由は、既存の分野に加えて、新たな分野を開拓し、売上を上乗せしていかないと、会社が存続できず、それを実現する為には、新たな組織体制(配置転換や若返り)を作って、実際に動かしていく、計画を策定する必要があることを、経営者自身が認識していたからです(経営計画策定前に、事業面及び財務面の報告を経営者の方にしていることも大きく影響していると考えられます)。

今考えると経営者の方は、自社の経営資源での実現可能性と社内に発表する為の根拠(要はどのような質問が来ても答えられる準備)をその期間、死ぬほど考えていたと確信しています。またそれは、経営者にとっての拠り所とも言えると思います。

 

実際に実行支援の段階になったある時に、経営者の方から「あの計画は枕の横において常に見ている」とか「日々確認している」という言葉を頂きました。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/

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◆ 「これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”」 第20回
工事原価管理と支払業務、経理業務のムダ(4)

 

専門工事業D社より「支払業務の効率化」について相談があり、現状を調査した結果、複数の業務で同様のデータを入力していることや今後の処理件数の増加などの理由から、専用のソフトウェアを導入することで効率化を図っていこうという結論に達しました。

 

今回から、ソフトウェア選定のポイントについてお話しいたします。

 

【5.ソフトウェア選定のポイント  その1 「オーダーメイド」か「パッケージ」か?】

 

支払い業務のIT化を決意した総務部長様と早速ソフトウェアの選定に着手しました。

 

といっても総務部長は、一体何から始めてよいか分からず、知り合いのIT業者に相談したところ、
  「ソフトウェアの作成から導入まで約6カ月、費用は900万円必要になる。」
と聞かされ、驚いて私に連絡がありました。

  「本当にそんなに費用が掛かるのなら、導入は難しいかもしれない・・・。」
と半ばあきらめ顔でしたが、

  「一体どのような話をしたのですか?」
と聞いてみると、

  「D社の発注→支払業務は複雑で自社専用伝票を利用していることなどから、

  オーダーメイドにてソフトウェアを作成しなければ、業務に対応できない。」
と説明があったそうです。

もちろん、D社の現状行っている「発注→支払業務」をそのままソフトウェアで実現するとなるとオーダーメイドで対応するしかないのですが・・・。

少し説明になりますが、ソフトウェア導入には、大きく分けて2つの方法があります。

 

自社の業務に合わせてソフトウェアを作成してもらう方法と予め業務毎に作成されたソフトウェアを導入する方法です。例えば、洋服のオーダーメイド(仕立服)とプレタポルテ(既製服)の様なものです。

 

オーダーメイドのメリットは、自社の業務に合ったソフトウェアを導入できることであり、デメリットは導入までに時間を要すること、費用が高いことです。また、今後修正や追加が必要になった場合にも高い費用が掛かることがあります。

 

一方既製品(以下パッケージソフト)のメリットは、コストが安いこと、導入期間が短いこと、デメリットは、自社の業務のやり方をパッケージソフトに合わせて変更するなどの対応が必要な点です。

以前では、オーダーメイドでソフトウェアを作成し、オフコンと呼ばれるコンピュータを使用しなければ、複雑な業務や多量にデータを扱うような業務はこなすことができず、多くの中小企業で導入されてきました。最近では、パソコンの機能が格段にアップしたこともあり、パッケージソフトウェアの機能も高くなり、以前のオフコン以上の業務が可能となっています。

 

現在では、標準的な業務は、パッケージソフトウェアを利用し、特殊な業務だけをオーダーメイドのソフトウェアを利用する中小企業が多いようです。中には昔導入したオフコン用のオーダーメイドソフトウェアをオフコンにて運用し続けている場合もあります。パソコンで運用したいのですが、一からソフトウェアを作り直す必要がありコスト負担が馬鹿にならないからです。

 

また、ITに強い従業員がいらっしゃる企業では、市販のデータベースソフト(Access、FileMaker等)を利用し自社でソフトウェアを開発してしまうといったつわもの企業もあります。

 

D社のお話に戻りますが、私は、
  「総務部長様のご要望『できるだけ低コスト、短期間での導入』を考えるとパッケージソフトを採用するのが

  一番だと考えます。その代わりパッケージソフトに合わせて業務のやり方や伝票の書式を変更することが

  必要になりますよ。」
とお話しました。  

 

次回はパッケージソフトウェアの選定についてお話したいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/

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