2009年8月6日号「最終回!中小製造業のQCサークル」

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             ● みどり合同経営 Information ●
              -コンサルティング・M&A部門-
                 2009年8月6日号
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▼ INDEX

■問題解決手法を身につける!中小製造業のQCサークル   <犬飼あゆみ>
「まとめ」

■これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”  <山下晶子>

■お問い合わせ先      <メール配信の中止及び設定の変更等>
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◆ 問題解決手法を身につける!中小製造業のQCサークル
15. まとめ

 

前回は、「THE金型名人」サークルが取り組みで得た成果の標準化を図り、これまでの活動内容についての反省を議論したところまでをお話ししました。これでQCサークルの流れは一通り終了ですが、もう一つ忘れてはならないのが「成果発表会」です。

 

QCサークルを実施している企業では、活動のまとめとして発表会を実施しているのが通常だと思います。発表会を盛り上げる工夫は重要ですが、発表内容については飾りすぎないことが大切だと思います。できたこと、できなかったことを素直に反省し、次につなげる発表ができるかどうか、またそれをトップが正当に評価できるかどうかが発表会での重要なポイントだと私どもでは考えています。

 

これまで、Nさんたちの「THE金型名人」サークルでの事例をもとに、QCサークルの編成からスタートし、テーマに応じた問題解決をどのように進めていったかをお話させていただきました。同時に、私どもがQCサークルをお手伝いさせていただいている中で、重要だと感じている点、難しいと感じている点なども含めてお話させていただきました。これから社内でQCサークル活動を実施してみようとお考えの方々に、少しでもご参考になれば幸いです。

 

これからQCサークル活動をしていこうと考えていらっしゃる企業様には、ぜひQCサークル活動を難しく考えないでいただきたいと思います。初めは、みんなが気軽に話し合える職場づくりや、自分達の仕事が少しでも楽になる小さな改善を目的に進めることで十分だと思います。大切なことはこれを継続していくことではないでしょうか。

 

初回(ゼロ回号)にお話しましたとおり、私どもはQCサークルを「考える組織づくり」の一貫と考えています。

 

企業が「考える」ことを習慣化し、らせん状に上方滑走していくことを目的としているからです。そのため、QCサークルも1回の活動で終わることなく、次はその反省からスタートし、さらに良くしていくためにはどうするか、絶えず考えていくことが大切だと考えています。

 

これは、なにも、同じテーマを何度も繰り返すということだけではありません。前回の反省を活かした取り組みを次にしていただきたいということです。例えば、前回は現状把握で定量的な把握が十分にできなかったため、効果の確認をしづらかったと感じた場合には、次のテーマでは定量データもしっかり取ってみよう、などです。これらの反省を先輩達が若いサークルメンバーに伝えていくことで、真に考える組織づくりができていくと考えています。

 

これまで、事例を含めながら、15回にわたり連載させていただきました。最後までお付き合いくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/

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◆ 「これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”」 第12回
管理資料・会議資料作成のムダ(6)

 

建設工事業のC社様では、社内会議資料の見直しを進めてきました。前回は工事部門で利用している管理資料についてお話を聞く事ができました。工事部長が行おうとしている実行予算管理は良いのですが現実にはうまく行っていない様です。

 

【8.Excelでの管理の限界?】
当社工事部門では、Excelを利用して工事原価管理を行っています。具体的な内容については前回お話ししましたが、簡単に言うと「実行予算書」を作成し、これを基に予実管理を行いながら工事を進めていきます。実行予算管理が遅れや間違いがなく実施できていれば良いのですが、現実にはなかなか実行予算管理ができていない様です。

 

実行予算管理を実際に担当している現場代理人に遅れたり間違いがあったりしている理由を聞いていくと、主に3つの問題点があることが分かってきました。

 

・実行予算書の作成が遅れ、現場が始まってもできていないため、実行予算管理を始められない。

・実行予算書の作成はしたものの、実行予算書の項目と実際発注する項目が同一でないために、

 両方の数値を対比する事が難しい。実行予算書の項目が現場での発注単位(業者別、材料別、

 労務の人工数量など)に合わせて作成できておらず、現場で実行予算書にもとづいた管理ができない。
 
 →(1)そもそも「実行予算」の作成スキルや社内の実行予算策定ルールに問題があるもの。

 

・Excelで作成した実行予算管理シートに、実際発生した工事原価を入力しているが、入力する数値が

 「○○工事一式」でまとめて入力する代理人、材料や人工毎に細かく単価を入力する代理人等、

 入力データにバラツキがある。

 

・工事部長がすべての工事を取りまとめた会議資料を作成する際に、各工事の実行予算管理シートを

 集計するが、現場代理人が各々使いやすいようにExcelシートの項目の並びを作り変えるため、

 すべての工事の実行予算管理シートを集計しようとしても、一度に集計できず、一旦紙に印刷し

 数値を拾うなど手間が掛っている。(工事部長)

 

 →(2)「実行予算管理シート」の構造やデータ入力などの運用ルールに問題があるもの。

 

・Excelの扱いが苦手。
・Excelファイルの管理が大変。どれが最新のものか分からなくなる。

 

 →(3)現場代理人のパソコンやExcelのスキルに問題があるもの。

 

また、他部署からの意見として次のようなものがありました。

 

・過去の工事の原価を調べたいが、調べようとしてもExcelファイルをひとつ一つ開いて確認しなければならず、

 どこの業者が安い単価なのか調べるのに時間が掛って探せない。(積算担当者)

・実行予算管理で使っているExcelデータを支払管理にも利用する事ができないか?(経理担当者)

 

 →(4)実行予算管理シートの他部署での利用に関する要望。

 

現場代理人や他部署の方からのご意見を工事部長に報告すると、

 

「Excelを使っての実行予算管理は、限界があり上手く行っていないのではないか?以前セミナーで実行予算管理の専用ソフトウェアがあると聞いたが、それを導入すれば、きちんと管理できるのではないか?」

 

と相談がありました。

 

C社様の現状を考えると、実行予算管理ソフトウェアの導入が現状の問題点の解決になるのでは?という期待と同時に運用は上手く行くのか?といった不安が浮かんできました。

 

次回は、実行予算管理ソフトウェアを導入するのかどうか、C社様での対応についてお話致します。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/

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