2009年3月19日号「これは便利!手間をかけずに100%親子会社化を実現する方法」

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                 2009年3月19日号
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■建設業のM&A~企業評価、法務、会計、税務 <原田裕子>

■これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”  <山下晶子>

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◆ 建設業のM&A~企業評価、法務、会計、税務
「建設業のM&A~法務(19)」

 

今回は、株式交換と株式移転についてみていきたいと思います。どちらも、2つ以上の会社が100%の親子会社関係をつくる制度です。

 

株式交換は、資金が不要な会社の買収方法です。相手の会社の株式を取得するときに、お金の代わりに、自社の株式を相手会社の株主に渡す方法です。

 

株式移転は、合併の変形で、単純に合併するのではなく、「○○ホールディング」などという共同持株会社を作って、その下に、100%子会社の形で、従来の会社を存続させるような場面で多く使われています。単純合併と違って、企業文化の違いをめぐる軋轢がなく、柔軟性が高いため、最近の企業組織再編では多用されています。

 

以下詳しく見てゆきましょう。

 

1.株式交換

 

株式交換は、A社がその発行済株式全部を既存のBという会社に取得させ、B社はそれと引き換えに自社の株式等をA社の株主に交付する、という方法です。

もう少し具体的にいうと、まずA社とB社で株式交換契約を結びます。この株式交換契約については、原則として、A社、B社それぞれが株主総会の承認を受けなければなりません。

 

効力発生日が来ると、B社は、A社の株主が所有する発行済株式の全部を取得します(このときには、株式交換に反対する株主が持つA社株式もB社に強制的に移転してしまいます)。同時に、A社の株主にはその代わりとしてB社の株式等が交付されます。

 

さて、A社の株主にはB社の株式が割り当てられることになり、株式交換の手続がすべて完了したとしましょう。その結果、A社はB社の完全子会社になり、元のA社の株主は完全親会社であるB社の株主になりました。

 

このように、株主交換なら、B社に資金がなくても、自社の株式を交付することによってA社を完全子会社にすることができます。また、A社の株主全員の同意がなくても、株主総会の特別決議があればそれが可能なのも株式交換のメリットといえるでしょう。

 

会社が株式交換を行う理由はさまざまです。たとえば、A社とB社は同じグループ内の会社で完全子会社化はグループの再編のためかもしれません。あるいは、純粋なM&Aで、B社が第三者であるA社の事業を買収するためといったケースも考えられます。

 

2.株式移転

 

A社が発行している株式の全部を既存のB社に取得させるのが株式交換でした。それに対し、A社が新しくCという会社を設立してC社に発行済株式の全部を取得させる。この方法が株式移転です。

 

株式移転の場合は、A社で株式移転計画をつくって株主総会の承認を受けます。

 

そして、株式移転の効力が発生すると、A社の発行済株式全部が新たに設立したC社に移転してC社はA社の完全親会社になる。と同時に、A社の株主は引き換えにC社の株式を受け取ってC社の株主となる、というわけです。

 

C社は純粋持株会社であり、株式移転は純粋持株会社をつくりたい場合に便利な方法です。複数の会社が共同して新会社を設立して新会社に全株式を取得させ、純粋持株会社を中心とした企業グループへと移行するような場合に、株式移転は多く活用されています。

 

次回は、株式交換と株式移転の手続の中身について、もう少し詳しくみていくことにしましょう。

 

M&A・企業組織再編部門
公認会計士 原田裕子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/
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◆ 「これは使える!ちょっと工夫“業務改善への道”」 第8回
管理資料・会議資料作成のムダ(2)

 

建築工事業C社様にて業務調査を行ったところ、社内会議資料作成に多くの時間が費やされている事が判明しました。そこで会議資料を中心に具体的な改善策を探っていくことになりました。

 

まずは営業部門に関する会議資料を見ていこうと思いますが、今回は「管理資料・会議資料作成のムダ」という内容からは、少し離れて、折角作成する資料なら形式的なものではなく、会議に役立つ資料にしましょう!ということでお話させて頂きます。

 

【2.営業部門に対する社長の悩み】

 

まず、営業部門で利用している管理資料・会議資料を確認しながら、社長様のご要望をお聞きすることにしました。

社長様は会議資料に特に要望はなく、営業部の現状について悩まれている様子でお話を聞いてみると、

 

「以前は公共工事中心であったが、公共工事の減少もあり民間工事へ力を入れていく方針を打ち出している。

(1)民間への営業を強化したいのだが、トップ営業を続けてきた経緯もあり、営業部員は指示待ち状態であること。

(2)民間営業を強化していくためには、トップ営業だけでは限界があり、今後どのように営業部門を動かしていったらよいか分からない。」

 

といったかなり重たいお悩みでした。

 

【3.営業見込物件リスト】

 

公共工事では工事数が限られた中での、社長主導の営業が中心でした。しかし民間工事となると大小様々な見込み物件を集めてこなければ営業活動がスタートできません。

 

当社は、営業物件については、「営業見込物件リスト」にまとめられており、営業会議で報告されています。この「営業見込物件リスト」を見てみると、ほぼ受注が決まったものや、受注確率が高いものが中心に記載されています。

 

「すべての営業見込物件がリスト化されているの?」と疑問を持った私は、営業担当者の方に質問してみました。

 

すると、「営業情報は、個人的な人間関係上の活動によるものだから」とか「受注確実性が高くないとリストに載せたくない。」、「情報が漏れると困るから。」という返事が返ってきます。要するに一旦リストに載せてしまうと社長様からしつこくチェックされ、失注するとバツが悪いというのです。

 

営業部長や担当者に詳しくお話を聞いてみると、社長が思っているほど、営業担当者は動いていないわけではなく、各担当者は民間への営業活動は行っているとの事です。しかし、自分の持っている情報を開示することに抵抗があるようです。

 

次回は、民間営業強化へどのように取り組んだのか、また「営業見込物件リスト」の活用についてお話したいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/

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