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◆☆ みどり合同経営 メールマガジン
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◆☆◆☆◆☆ 2013年7月4日号
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■ 管理会計は大企業だけのツールではない! ~気付く力を養う会計~
第10回:<ステージ2>月次の実績は把握でき、かつ、それにもとづいた
管理を行っている企業(1)
■ 中小建設企業のM&A
M&Aにおける企業評価とは
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管理会計は大企業だけのツールではない! ~気付く力を養う会計~
第10回:<ステージ2>月次の実績は把握でき、かつ、それにもとづいた
管理を行っている企業(1)
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皆様、こんにちは。
今回から、月次の実績を把握したうえで、それにもとづく「何かしらの
管理」を行っている企業について考えてみたいと思います。
ある中小メーカー(営業部門と製造部門がある)の話ですが、月次で
予算と実績の対比を行っているにもかかわらず、一度たりとも実績が
予算を上回ったことがありません。
その原因を探るため、各部門の部門長に話を聞いてみました。
各部門の状況と部門長の言い分は以下の通りです(なお、実際の販売
価格は、月次の実際原価に基づき粗利率を確保するものとしている)。
(1) 製造部門
部門全体でかかった原価の合計は予算よりも少ないが、製品一個当た
りの原価は予算よりも多い。
製造部長は、「営業が取ってくる受注量が少ないから、予算で立て
た生産量を確保できないため、製品一個当たりの原価が下がらない。
営業が仕事を取って来ないのが問題だ。」と言っている。
(2) 営業部門
売上高が予算を下回ってはいるが、粗利率は予算の水準を確保して
いる。ただし、予算で立てた利益には程遠い状況である。
営業部長は、「当初の予算で立てた製品単価よりも実際の製品単価
が高いため、予算水準の粗利率を確保しようとすれば、競合他社の
販売価格よりも高くなり、競争に負けてしまう。製造が、安く
作れないことが問題だ。」と言っている。
それぞれの部門長の言い分を聞いた社長は、頭を抱えて、「どっちに
問題があるんだろうね?」と何とも言えない表情で私に問いかけて
きました。
確かに、工場の場合は、固定費があるため、たくさん作れば作るほど
製品一個当たりの原価は下がります。すなわち、製品一個当たりの
原価の高低は、営業の受注量に依存すると言えます。
しかしその一方で、営業は粗利率の目標が掲げられているために、
製品一個当たりの原価が高いと、その分、高い値段で売らなければ
ならなくなり、競合他社との競争に負けてしまいます。すなわち、
受注量は製品一個当たりの原価の高低に依存すると言えます。
皆様は何が原因で、こんな状況になっていると思いますか?
次回は、この原因について考えていきたいと思います。
みどり合同経営 コンサルティング部長
シニアコンサルタント 萬屋博史
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/
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中小建設企業のM&A
M&Aにおける企業評価とは
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今回からはM&Aの前提となる企業評価のお話です。
まずは、M&Aにおける企業評価のもつ意味について考えてみたいと
思います。
M&Aは企業(事業)の売買であり、そこには買い手と売り手が存在します。
買い手にとってM&Aは新たな投資ですから、その結果得られるリターン
(将来生み出される利益の合計、あるいは回収できる金額)、すなわち
投資の価値が、投資にかかる資金や費用を上回ると期待できる場合に
M&Aが実行されます。買収対象がどんなにいい企業(事業)であっても、
高い買い物であるならばそのM&Aは成功とはいえません。
一方、売り手にとって売却は投資の回収ですからより多くの回収を
目指して努力するのは当然です。
そこで、M&Aにおいては、売り手と買い手が交渉し譲歩しあいながら、
それぞれの許容できる範囲の中でお互いが合意できる取引価格を探って
いくことになります。そのため交渉をスタートする時点で売り手・買い手
ともに対象となる企業(事業)の投資価値を知っておく必要があり
企業評価が行われます。
企業評価は売り手・買い手双方が独自に行いますが、同じ方法で評価
したとしても評価額が同じになることは、まずありません。対象企業に
関する情報量の差、将来の収益の予測、リスク要因、資産の時価、
シナジー効果などに対する考え方の違いが評価の差になってあらわれる
ためです。
つまり、企業評価は主観的な要因による影響を受けるため、絶対的な
評価というものは存在しないのです。
M&Aにおいて企業評価を行う目的は、交渉の出発点となる水準の価格を
求めることにあります。この評価額をもとに、M&Aのスキーム、当事者の
交渉力などによって最終的な買収価格が決まってくるのです。
したがって、M&Aにおける企業評価による評価額は、当事者が納得する
取引価格を決定するための一要素でしかないということです。
企業を評価す