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◆☆ みどり合同経営 メールマガジン
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◆☆◆☆◆☆ 2015年5月15日号
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皆様こんにちは、みどり合同経営です。
日中は夏のように暑くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
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▼ INDEX
<新連載>
■ 自称”若手コンサルタント”がお送りします!
「運送業」の課題解決の着眼点
実車率の向上『実車率って上げられるの!?』(2)
<好評連載中>
■ 今日から実践!基本からの生産管理
第15回 生産工程の時間測定で問題を見つけたZ社の取り組み
<お問い合わせ>
■ メール配信の中止及び設定の変更等
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新連載:自称”若手コンサルタント”がお送りします!
「運送業」の課題解決の着眼点
実車率の向上『実車率って上げられるの!?』(2)
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みなさん、こんにちは!今回は、『実車率』を着眼点として、新たな市場
に参入し、成功した企業の例を見ていきたいと思います。
今回例とするA社は、一般貨物の輸送からスタートし、現在は液体をメイ
ンの荷物としている企業です。液体を輸送するためには、通常、専用の
車両即ちタンクローリーを用いますが、基本的に発便にのみ荷物を積む
ため、実車率は50%となります。そこでA社はタンクローリーに替わる輸送
システムとして、通常のコンテナに液体を載せられ、空の状態では折り
たためる袋状のタンクを独自に開発し、液体輸送に参入しました。
このタンクを用いることで、行きは液体を輸送し、帰りはタンクを折りた
たんで一般貨物を輸送するということが可能になりました。これにより、
A社は一般貨物と液体輸送の両軸で実車率を高める戦略を実行しています。
A社の取組のポイントは、タンクローリーが独占する液体輸送において
常識となっていた「実車率50%以上の確保は難しい」という考え方を冷静に
分析し、それを克服した点です。
A社は、その後順調に成長していましたが、東日本大震災により状況が
一変します。ご存知のとおり、道路や港が大きく被災し、輸送経路の変更を
余儀なくされ、一方で、荷主の要望に応えるために、帰便の手配をせずに
輸送せざるをえない状況になったのです。
弊社が初めてお会いさせていただいたのはこの頃です。
震災という大きな環境変化の中での業況悪化はやむを得ない面もありまし
が、A社の課題として運行管理の状況やルート別の損益について検証する
データが整備できていないことがありました。
そこで、可能な限りデータを集め、運行内容やコストの検証を行ったと
ころ、帰便は傭車(他社からの外注で利率は低い)でもいいので実車運行
することを徹底すること、それでも帰便の荷物を確保できない場合には、
発便を無理に受けないということの必要性を改めて認識することになり
ました。
これを受け、A社では発便の受注量の調整と帰便の荷物の確保を行って
おり、特に、帰便の荷主の新規開拓では、液体輸送の帰便を活用した
輸送を用いることはエコな取組であり、荷主のイメージアップにつながる
ことなどのPRを行っています。こうして、ここ最近は発便と帰便の
バランスの取れた運行ができるようになり、安定した実車率と利益を確保
できるようになっています。
さらに、A社は自社の成功モデルである「一般貨物から液体輸送への参入」、
「実車率の向上」をPRすることで、「液体輸送の業界スタンダードに
していきたい」という目標のもと、同業他社へタンクの製造・販売を
行っています。
また、このタンクはただタンクローリーに代わるだけではなく、
衛生管理面でタンクローリーよりも優れており、このタンクだからこそ
対応できる用途のアイデアも生まれています。
例えば、運送業以外でも防災用の移動可能な飲料貯蔵タンクとして、
自治体等で用いられるように働きかけるなど、運送業界の習慣や常識に
とらわれず、新しいことにチャレンジしています。
A社とは、震災以降、実車率の向上やタンクの販売戦略についての
目線合わせを行っていますが、A社がこのようなタンクを開発し事業展開を
行っているポイントは「実車率向上」という課題に対して常識にとらわれ
ない発想をしていったことだと思っています。
次回からは「荷主の動向を掴む」をテーマにしていきます!
執筆者:
柏野里奈(コンサルタント)
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/kashino/
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今日から実践!基本からの生産管理
第15回 生産工程の時間測定で問題を見つけたZ社の取り組み
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前回は、現場観察の重要性について考えてみました。
今回は、生産工程の時間測定で問題を見つけたZ社の事例をご紹介します。
■Z社の概要
Z社は建設資材メーカーです。顧客の注文に応じてオーダーメードで
コンクリート製の資材を生産しています。生産工程は、(1)型枠組立、
(2)部材セット、(3)鉄筋セット、(4)コンクリート成形、(5)乾燥、
(6)脱型の順番です。
各工程は、ライン上を循環するテーブルの上で行われます。つまり、
テーブルがライン上を移動しながら、生産が進みます。(1)~(6)の
各工程にテーブルが配置され、その上で各工程の作業が行われます。
各工程の作業が終わると、6つのテーブルが同時に1工程ずつ次に進む
生産方式です。早く作業が終わった工程があっても、作業中の工程が
あれば、テーブルは、次の工程に進むことができません。
(6)脱型を終えたテーブルは、(1)型枠組立に進み循環するようになって
います。テーブルは非常に大きいので、型枠組立では、複数の製品が
生産できるように行います。
Z社の工場に赴任した新工場長は、工程の流れと作業者の動きを見て、
工場の生産性が低いのではないか、と感じました。しかし、どこを
どのように改善すれば良いかすぐには判断ができませんでした。
また、現場の作業者に改善の指示をするにしても根拠を示すことが
必要だと感じていました。
そこで、まず、工程毎の作業時間測定を行ってみました。
■時間測定の結果
時間測定をしてみると、工程毎の作業負荷のバラツキが大きく、作業者の
待ち時間が多く発生していることが分かりました。テーブルのセットが
完了してから各工程の作業が終わり、1工程進むまでの間の実作業時間
割合は、(3)鉄筋セットが85%であるのに対して、(1)型枠組立は
50%でした。ほとんどの場合、(3)鉄筋セットの工程が終わるのを待って
から、全体が1工程進むことになっていました。そして、(1)型枠組立
工程の作業者は平均して半分が手待ち時間になっていたのです。
そこで、工場長は、各工程の作業者の人数を作業負荷に合わせて調整しま
した。そして、常に他の工程を見ながら、相互に応援をする体制にしまし
た。その結果、工程間の負荷バランスが取れるようになり、すべての
作業者がほぼ80%の実作業時間割合となりました。
さらに次の問題として、テーブル上ではもっと多くの製品が生産できるにも
かかわらず、これまでは、テーブルの回転数を高めようとして、少量の
製品しか生産していなかったことが分かりました。テーブル上に余裕の
スペースが残されていたのです。
工場長は、この部分も改善できると考え、テーブルの面積いっぱいに
製品を生産できるように、型枠組立の方法を変更しました。その結果、
各工程での作業時間が伸びたため、テーブルの回転数は、少なくなりまし
たが、生産数数量を多くすることができました。このような改善の結果、
生産性が約30%向上したのです。
現場の観察は改善の基本ですが、気になることが見つかれば、実際に
時間測定などを行って、問題を定量的に把握することが大切です。
そうすることで、関係者に問題の存在を納得させることができ、
改善への協力を得ることができます。さらに、改善した場合の効果を
予測することもできます。
現場を観察して、問題があるかな、と感じたら時間測定を行ってみま
しょう。改善のヒントが見つかるはずです。
次回は、「5S活動の取り組み方」について考えてみましょう。
執筆者:
澤田兼一郎(中小企業診断士)、犬飼あゆみ(中小企業診断士)
執筆者ご紹介 →
http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/
http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/
アドバイザー:
MABコンサルティング 中小企業診断士/一級建築士 阿部守先生
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