みどり合同経営メールマガジン 2013年11月7日号を発行しました

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◆☆         みどり合同経営 メールマガジン
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◆☆◆☆◆☆                 2013年11月7日号
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すっかり秋めいてきましたが、皆様いかがお過ごしですか。
各所で美しい紅葉が目を楽しませてくれますね。

このメールマガジンは、ご縁を頂いた方に配信しています。
配信不要の場合は、恐れ入りますが、末尾に記載しております方法にてご連絡
をお願いいたします。

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▼ INDEX

<好評連載中>

■ 管理会計は大企業だけのツールではない! ~気付く力を養う会計~

  第14回:<ステージ2>月次の実績は把握でき、かつ、それにもとづいた
  管理を行っている企業(5)

■ 中小建設企業のM&A

  第6回: フリーキャッシュフロー法 (3)

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■ メール配信の中止及び設定の変更等

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 管理会計は大企業だけのツールではない! ~気付く力を養う会計~

 第14回:<ステージ2>月次の実績は把握でき、かつ、それにもとづいた
  管理を行っている企業(5)

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皆様、こんにちは。
11月に入り、次第に寒さを感じるようになりましたが、いかがお過ごしで
しょうか?

年末も近くなると、普段よりも様々な方々とお会いする機会が増え、その分、
いろいろな話をする機会も増えますが、個人的には(理由は分かりませんが)
中小メーカーの経営者の方とお話する機会が増えています。

そのような方々とお会いした時に、必ず話に出るのが「設備投資」の話です
が、「引合いが増えてきたから思い切って設備投資しましたが、売上は増え
たけど、利益が思うように増えないんですよ」という話題をよく耳にします。

ある経営者の方とお話をした時に、同じような話が出たので、「償却負担が
多くなったから、思うような利益が出ないんじゃないんですか?」と私が
尋ねると、「もちろん、それはありますが、その分は現金として残るはず
ですよね。残らないんですよ。」と答えが返ってきました。

つまり状況としては、設備投資をして売上は上がったが、現金残高は増え
ないということです。
もちろん設備投資の資金を金融機関から借り入れていれば、返済により
現金残高は増えないかもしれません。しかし、ここで問題となるのは、
その設備が効率的に使われているか否かということです。

製造業が設備投資を行うのは、規模の拡大や効率性の追求等であって、
設備投資をしたは良いけど、効率性が落ちるということはあってはなら
ないことです。具体的に設備投資をした資産が効率的に使われているかを
測る指標として「総資産営業利益率」があります
(「総資産営業利益率」=「営業利益」÷「総資産」)。

「社長、設備投資前の総資産営業利益率と設備投資後の総資産営業利益
率を比べてみてはいかがですか?そうすれば、設備投資をした結果が
現状どうなっているかがわかりますよ。」と私が言うと、「持っている
資産でどれだけの利益を生み出しているか、ということですね。
だとすれば、有形固定資産に対する利益率でも良いのでしょうか?」と
答えが返ってきました。「もちろん、その方がピンポイントで状況が
わかりますよね。良いと思います。」と答えると、早速、会社の経理の
方へ電話をされていました。

設備投資は、その効果を測るのが難しいものですが、特に多くの設備を
必要とする産業においては、その効率性を見極めることが重要となります。
御社の総資産利益率は、いかがですか?

みどり合同経営 コンサルティング部長
シニアコンサルタント 萬屋博史
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/

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  中小建設企業のM&A
 
   第6回 フリーキャッシュフロー法 (3)
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 前回は割引率次第でフリーキャッシュフロー法による企業価値が変わると
お伝えしました。また、割引率には株主資本コストと有利子負債コストの
2種類があり、それを加重平均した割引率(WACC)を用いる事もご紹介
しました。今回と次回でまずは株主資本コストについて考えてみます。

 株主資本コストとは、株主が求める期待収益率であり、MAの場合には、
買手が求める期待収益率と売手が求める期待収益率が異なり、これが
割引率の違いになってあらわれます。その違いが企業価値の評価額へも
影響してくるのです。

 株主資本コストの算出は、一般的には以下のような計算式であらわされ
ます。

【株主資本コストの計算式:
  株主資本コスト=リスクフリーレート+リスクプレミアム】

 リスクフリーレートとは、安全な資産への利回りであり、例えば、
国債のような無リスク資産の収益率です。

リスクプレミアムとは、リスクのある資産の期待収益率から無リスク資産の
収益率を引いた差のことです。ここで言う「リスクのある資産」こそが
「株式」であり、リスクの発現可能性が大きく割引率に影響を与えるのです。

ただし、リスクの発現可能性といっても、個別の企業のリスクを積み上げて
いき、それがどんな確率で発現していくかを一つ一つ検証して割引率を求める
ことは現実的ではありません。そのため、実務上、良く利用される方法が
以下の算出方法です。

【リスクプレミアム=β(ベータ)×マーケットリスクプレミアム】
マーケットリスクプレミアムとは、無リスク資産の収益率を上回る株式市場
全体の収益率のことです。一般的に過去の株式、債権の利回り実績を参考に
推定します。

βとは、株式市場全体の変動に伴い個別株式がどのように変動するかを示す
係数です。景気に左右される飲食業界などは市場全体の動きより株価が大きく
反応するのでβが高くなります。反対に景気にあまり左右されないインフラ
業界などはβが小さくなります。このβを用いてマーケットリスクプレミアム
から個別のリスクプレミアムを推定するのです。このβについては次回、
考えていきます。

また、中小企業の株主資本コストを考える際にはリスクフリーレートと
リスクプレミアムに加えて、倒産リスクや規模のリスク等の対象企業特有の
リスクを個別に考慮する事もあります。どのようなリスクを織り込むかで
株主資本コストが変わってくるため、最終的には買手と売手のリスクに対する
考えの違いが企業価値の評価額に影響してくるのです。

今回は株主資本コストについて詳しく見てきました。次回は株主資本コストを
構成しているリスクプレミアムを求めるために必要なβについて考えたいと
思います。

☆ポイント☆
中小企業の株主資本コストはリスクフリーレート、リスクプレミアム、
対象企業特有のリスクが含まれる。

 

みどり合同経営 コンサルタント 林田 晃尚
(日本公認会計士協会準会員)
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/hayashida/

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